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最高裁判所第一小法廷 昭和36年(オ)43号 判決 1961年7月06日

主文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理由

上告代理人弁護士高橋方雄の上告理由第一、第二について。

原判決認定のような事実関係の下において本件賃貸借は借地法九条にいわゆる臨時設備其の他一時使用のため借地権を設定したること明なる場合に該当するものとした原審の判断は、当裁判所もこれを正当として是認する。そして右のような場合、所論のような権利金の授受があり、且つ、賃料の増額があつたとしても、右判断に消長がないものと解すべきである。所論判例は本件に適切ではない。所論る述するところは、ひつきよう叙上に反する独自の所見に外ならないものであつて、採るを得ない。

同第三について。

所論はすべて、原審の専権に属する証拠の取捨選択、事実認定への非難でしかなく、上告適法の理由として採用の限りではない。

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で主文のとおり判決する。

(裁判長裁判官 下飯坂潤夫 裁判官 斉藤悠輔 裁判官 入江俊郎 裁判官 高木常七)

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